時の話題 「戦い終わって」

 参院選は自民党も立憲民主党も議席が伸長し、どの政党も負けた気(実際負けていないが)がしない不思議な結果に終わった。
 北海道選挙区(定数3)では前知事の高橋はるみ候補が票を取り過ぎると自民党のもう一人の岩本剛人候補が煽りを食う事も選挙戦では喧伝されたが、何の事はない、立憲民主党の勝部賢志候補に迫る得票を得て堂々当選した。
 吉田正人道議の近しい親戚で小社にも挨拶に来ていたが、当初は3年前の二の舞(2人目の自民党候補落選)だけは御免蒙るとばかりに必死になって選挙戦を展開していたということなのだろう。
 北海道は元々、旧社会党から流れを汲む旧民主党(その後、立憲民主党、国民民主党に枝分れ)が選挙に滅法強く〝民主王国〟とまで言われた時代があったものの、全国的な旧民主党退潮という政界勢力の中、3年前の前回参院選は立民が鉢呂吉雄氏という重鎮の力によって2議席を確保したが、労組組合運動の衰退などあり右肩下がりの傾向に歯止めがかかっていないのが現状なのだろう。
 全国的には元タレントで国会議員だった山本太郎氏率いる「れいわ新選組」の2百万台半ばの得票で2議席確保したのが特筆され、日本にもポピュリズム(大衆迎合)が浸透してくる芽吹きを実感している。
 衆・参議選とも今後5年ほどは今の流れに大した変化はないだろうが、自民党や野党に次のリーダーが出る頃には大きく変化する予兆を感じたのが今回の参院選だったのであるまいか。政治はつまらないが選挙は面白い。

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