時の話題 「人の心の奥底」
入学し入社し1カ月を過ぎた頃から学校や勤務先を休みがちになり不調なことを訴えるようになるのが五月病だが、近頃は5月に限らず異常を訴える人が増え人手不足の遠因にもなっている。
今年の場合、4月後半から10連休という、とてつもない長い休みがあったので、いつもより五月病が顕著になっているのではと、懸念している。
人手不足改善に向け国は外国人の雇用、そして高齢者雇用を奨励しているが、おいそれと運ぶものでなく、文化や生活様式が違う外国人への対応は企業側も見越した対策を講じているものの、高齢者対応は既存社員との年齢という壁もあり、高齢者にもプライド(自尊心)があるため、経営者が意図するところの会社の規律(上下関係など)に綻びが出る事態を招来しているやに側聞している。
ロボットを使うのと訳が違い生身の人間には考え方の相違もあり、高齢者にはそれまでの経験もあるので軋轢が生まれることもある。普段、何事もない時は表面化しないが、何か問題が生じると心のマグマが暴れ出し収拾つかぬこともあるやに聞く。
人間というのは実に難解な動物であり、互いの経験から他人様を推し量れぬものであり厄介なものである。
良かれと軽率に思った言動が相手の反感を買い後々まで関係にヒビが入りっ放しのこともある。例えば労使の関係とはお金で築かれているとはいえ、そこには人の情がなくてはならない。普段の関係もそんなものだろう。
他人の心の奥底を推量しても詮ないこと。つくづく思う。