時の話題 「便利過ぎるのもね」
20日の毎日新聞「余録」に筆者だけでなくプレス愛読者も興味ありそうな事が書かれてあったので紹介させて戴く。
余禄では、スマホ、コンビニ、宅配便など我々の生活に便利なものは苦役の重労働に支えられ、今、痛ましい事故が続出している自動車事故について「5㍍超の金属の塊が人間業でない速度と力で動く様はいかにも不釣り合いだ」と余りにも人間が容易に運転し過ぎていることに警鐘を鳴らしている。
スマホの前のガラケー(携帯電話)が汎用性を持つようになったのはこの20年来のことであり、車だって普通になったのは50年来のことであり何もかも便利になった世の中は以前の「米国がくしゃみをすれば」から予想し難いほどのグローバル性に満ち、米国と中国の貿易戦争の行く末を考えるとぞっとする。
行動に要する時間も情報収集も劇的に時間短縮される中、余裕なく生き瞬時のマネーゲームで大金を手にする人間がいる一方、1時間900円を切る賃金で働く非正規就労者が4割を占めようとする日本。格差は広がる一方で、秩序が保たれた日本にもデモばかりでなくテロだって起こりかねない。
翻って稚内だって例外ではない。公務員や団体職員、水産業や建設業など比較的景気のいい職業の人達と、前述した非正規労働者との収入差は広がる一方で、元々資本主義は格差を生みやすい土壌にあるにしても暴発寸前の状況にあるのではと憂慮している。社会保障の更なる充実が求められており、その財源になる筈の消費税増税は欠かせない。