時の話題 「優先認識の違い」

 市庁舎前で噴水に加え花を飾ったプランターも置かれ春の光景が戻ってきた。
 3期目の工藤市政によって庁舎改築が現実味を帯びてくるのだろうが、道の向い側は空き地と空き店舗が広がっており稚内の中心エリアとして如何なものかと案じていたところ、角地に潮見地区にある銀行が移転してくるようだとの話を聞き胸を撫で下ろしている。
 旅館があった市庁舎隣りに道銀支店ができ移転改築場所が限られている市庁舎建設に当たっての絶対条件は市立病院と銀行、とりわけ稚内信金と近くなければならず、信金本店の改築も俎上にのぼろうとしている中、現在地から離れることは有り得ず、そういう事では土地の購入など余計な業務は無い筈なのであとは庁舎改築に市民の了承を取り付けるかが、最大の問題とはなろう。
 ふんどし町ゆえに住宅地が拡散した稚内にあって今、高齢化した家庭から家売却の申し込みが少なからずあるということを知人から聞く。その人曰く「市役所改築どころの話でないだろう」。市立病院の一部診療科の不充足によって札幌や旭川への通院の足しにと、家と土地を売りに出しているのだという。
 札幌などの診察には日帰りで済まず宿泊を余儀なくされる。その費用を補うため家を売りに出しているとの事情のようだ。
 厚生年金なら未だしも国民年金の生活は何もなくても厳しいものがあるのに地方の病院への通院など出来るものでない。
 「庁舎建てる前にやる事あるでしょう」。市民の切実なる声である。

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