時の話題 「稚内が誇れる物」
パリにあるノートルダム寺院(大聖堂)が修築中の火花が引火したためか、火災が起き高さ90㍍ほどある尖塔はじめ寺院の3分の1ほど焼失した。
大観光国のフランスにとってルーブル美術館など観光施設を遥かに凌駕する来訪者があるだけに観光への影響は計り知れないものがあり、テレビで頭を垂れるパリ市民の様子を見る時、衝撃の大きさに同情を禁じ得ない。
ノートルダム寺院はフランス国民にとって日本の富士山のような存在だと言う識者がいる。建物と片や山とは異質なものだが、両国民のアイデンティティー(自分が自分である事)が富士山、ノートルダムと思い言わせるのだろう。
翻って稚内市民にとってアイデンティティーとは何なのか。「北の果て」「宗谷岬」「北防ドーム」「氷雪の門」など候補があるのだが、市民が自信持ち公言できるものはあるのか。
水産業の町として発展し、その後の観光、公共工事とインフラ整備によって市民生活は格段に向上したものの「これだけは稚内の誇りで他の町には負けない」と誇れるモノがあるのだろうか。
今、選挙運動中の工藤市長はよく「我が街は」という表現を使うことがある。大学時代に一旦離れたといえ出生してから此の方、稚内で生活し、その先頭に自分が立っているという自負が言わしめているのであろうが、市長だけでなく市民誰しも郷土への愛着は強いものがある。
と考えて行くと稚内名物強い風は他の町では体験できない。誇れるものとは言えずとも存在感は増している。