時の話題 「またも官吏不祥事」

 またぞろ国(厚生労働省)の手抜き調査に加え隠蔽と思しき事態が発覚し、大臣ほか関係部署の幹部職員が減給など懲戒処分を課せられることになった。
 雇用保険などの基礎的資料になる毎月勤労統計調査は従業員500人以上の企業全てで行わなければならないのだが3分の1程度の調査で済ませ給付額が減ったとする、税金の本来の目的から逸脱してしまったもので、この不正統計で算出された給付金不足額が数千億円に達し国の制度そのものに疑念を生じさせたという罪は重いものがある。
 厚生省と労働関係省が合体し生まれた厚生労働省では以前〝消えた年金問題〟などあり国民の信頼回復が道半ばの中での不祥事には安倍総理も頭が痛いところで、正確に統計を行った場合の給付額を新年度予算に盛り込まなければならないという異常とも言える事態を招来した。
 明治以降150年経ち日本という国家の根幹とも言うべき官僚制度が破綻を来たしているということで、累が都道府県、市町村にも及ばないかと案じている。「国がやっているのだから我々だって」との考えはないだろうが公務員の間に手抜きが広がることが恐い。
 役所というのは弱い立場の市民に手を差し伸べるものでなくてはならず、困っている人がいれば出来得る限り寄り添い生活に支障がでないようするのが公務員としての責務であろう。
 公務員は自身の安定でなく国民の安定を目指す公僕精神がなくてはならない。微温湯につかることなく市民に対し奉仕して行かなくてはと思うのだが。

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