地域の発展を願って 商工会議所主催し新春経済懇談会開く

 稚内商工会議所主催の新春経済懇談会は10日午後、サフィールホテル稚内で開かれ、各界代表者が新年の抱負を語った。
 出席した来賓、会員ら200人を前に、主催者の中田会頭は昨年の地域経済に触れ「酪農は個体販売が例年並みに推移したが、牧草収穫時の悪天候や震災による停電で生乳廃棄など厳しい状況もあった。沖合い、沿岸漁業は回復傾向にあり関連業界などは良好な一年だった」と振り返り、全国各地で発生した台風や大雨、9月の地震など踏まえ「国土強靭化対策が加速するよう地域を挙げて国や道に訴えていかなければならない」とし、10月からの消費税10%への引き上げについては「景気の下振れ回避に向けた経済対策などを進めていく」とし、最後に「行動し頼られる商工会議所を標榜し活動を推進していく」と挨拶した。
 続いて年頭所感として、武部衆議が全国各地で相次ぐ自然災害に触れ「災害に強い北海道を作っていく」とし、JR問題は「宗谷本線を幹線として皆で守っていくという体制を作り、国の役割としてJR北海道を支援していく」。工藤市長は「行動する一年にしたい。このマチの抱えている課題は多岐に亘り、一つ々々糸をほどくように粘り強く解決していきたい」、吉田道議は「一次産業を中心に宗谷管内は安定期がここ何年か続いている。観光については来て頂いた人にどう喜んでもらうかがキーワードになり、サハリンを含めた観光も考えていかなければならない」と夫々述べていた。
 来賓の熊谷稚内開建部長は「人と物を安全に運べる交通基盤を整備し地域の活力を高める取り組みをしていきたい」、朝倉宗谷総合振興局長は「地域をけん引する力強い産業を形成しながら本道経済を成長させる取り組みを進めたい」と祝辞を述べた。

「大本氏特別講演」

 最後に北海道二十一世紀総合研究所の木本晃特任審議役が「まちが素敵になるしかけ」と題し特別講演した。
 開口一番「元気になる話を」と講演を始めた木本さんは人口の確実な減少(稚内は2045年に1万8083人)が見込まれる中、よそ者にオープンな町を目指し交流人口を増やす手立てが必要だとし、将来のインフラ整備として新幹線の札幌延伸どころか旭川、行く行くは稚内まで伸ばし日本列島が北から南の果てまで新幹線でつながることぐらいの夢は必要だとし、その際にはフリゲージトレイン(レールによって車輪間隔を変える列車)の導入が欠かせず、北海道の食料自給率を今の200%から1000%にし、政府、行政主導でなく民間主導のPFIを積極的に推し進めるべきだとした。
 飛行機もLCC(格安航空)ではなく個々が所有するビジネスジェットの時代が到来するとし、IR(統合型リゾート)誘致も望まれるとした。
 観光も民間主導のDMO方式にし「稼ぐと決めたら戦略を練り着実に遂行するようにしなければ」などと話していた。

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