時の話題 「軽過ぎる罪」
知床半島沖での観光船「KAZU Ⅰ」(カズワン)沈没事故から4年の月日が流れ、16日、釧路地裁で検察の論告求刑があり、運航会社社長の桂田精一被告(62)に禁錮5年を申し述べた。
乗客・乗員26人が死亡・行方不明となった事故にも拘らず「随分軽いもんだ」と思われた方はいるだろうが、業務上過失致死罪の法定刑上限だった。
地元の漁師が出漁も止めるほど強風波浪注意報が発表される中、乗船客の命を預る立場だったのに拘らず出航し「その後シケてきたなら引き返せばいい」などと安易な考え(というより何も考えていなかった)で出航し、開けっ放しだったハッチの蓋から海水が入り沈没するに至った。
国の検査機関が前日船を点検していたが、ハッチ蓋の異常が見過ごされていたのが沈没遠因だったが、要因は社長たる桂田被告の無責任さが露呈したもので、車の運転同様、もっと重い業過死罪以上の危険運転致死傷罪で起訴すべきだったろう。きょう17日、弁護側の最終弁論など結審するが、業過致死罪の最大罰とはいえ遺族が納得できる求刑ではなかった。
伝え聞くところによれば桂田被告は資産家の親から知床遊覧業など引き継ぎ自分の資産を増やすことに奔走していた。親子間の継承とはいえ客商売する経営者はよく々々、自分の責任を自覚し事業を展開していかなくてはならない。
官庁でも民間会社でもトップに就く人は第一に何か事故・事件があった場合、自らの処し方を知らねばならず責任逃れは慎まねばなるまい。


