人口減、経済縮小乗り越え 市議会 市長が執行方針示す

 3月定例市議会は24日~3月16日までの日程で開会。初日は工藤市長が新年度は4期目任期の最終年であり、これまでの市政運営を総括し未来への道しるべを確かなものにする極めて重要な一年であるとして「人口減少と地域経済の縮小という巨大な壁を乗り越えるため、先頭に立って施策を力強く推進して参ります」などと力強く語った。
 新年度は主に①子ども・若者の夢を育み、次代を担うひとづくり②安らぎの空間に笑顔あふれる基盤づくり③地域の資源を活かした魅力ある仕事づくり④互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり⑤まちを愛し、世界に誇れるふるさとづくり—の5つを基本目標に取り組むとした。
 ①の若い世代への支援として、医療費は昨年実施した高校生までの完全無料化を継続。給食費は国の支援に合わせ、市独自で完全無償化を実現すると共に中学校や保育所なども現下の物価高を考慮し新たな負担を強いることのないよう負担軽減策を講じる。
 ②の道路整備に関し3月に予定されている音威子府・中川間の「音中道路」の開通により、旭川方面への移動が短縮され、冬場の安全性も飛躍的に向上することを期待。令和8年度は中川・天塩間の早期着工、豊富北・稚内間など残る未整備区間の解消を目指し、要望活動を行うなど北海道縦貫自動車道の全線開通という目標に向け、継続して取り組んでいくとした。竣工90周年を迎える北防波堤ドームは、かつて港と駅を結んでいた歴史的背景を踏まえ、宗谷線の鉄道100周年と連動したイベントを開催し、マチの賑わいを創出する。
 ③の観光に関し、きた・北海道DMOを核に国内外からの観光客誘致、受け入れ環境の整備。副港市場隣の石蔵を活用しインバウンド(外国人観光客)対応や通年観光という観点から天候に左右されない体験型観光の拠点作り。ユーラスエナジーホールディングスなどによる風力発電所に直結したデータセンターの国内初の取り組みが展開されることなどを好機と捉え、企業誘致などを推進する。
 ④では市立稚内病院の人員配置の最適化や診療単価の適正化など抜本的な経営改善に取り組み、市民の命を守る切れ目のない医療の安定提供を目指す。看護師確保に重要な役割を担う稚高の衛生看護科の存続と入学生確保に向けた支援、将来にわたる医療環境の維持。持続可能な地域交通の構築に向け、キタカラなどで電動バスによる自動運転実証運行を実施する。
 ⑤の周年事業で宗谷線100周年、北防波堤ドーム90周年、南極観測開始から今年で70周年を迎える年。歴史の足跡を市民の皆さんと共に今一度見つめ直し、故郷と稚内への誇りと愛着を再認識する貴重な機会であり、次なる飛躍への確かな活力へと繋げるとした。
 新年度は将来を見据えた変革に向けた挑戦の年とした市長は「人口減少という厳しい現実から目を逸らすことなく、デジタルの力を活用した利便性と、地域の絆を深める共生を両立させ、子どもから高齢者までの全世代が〝このマチに住み続けたい〟と心から思える持続可能なマチを、市民の皆さんと共に不退転の決意で創り上げていく」などと述べた。