時の話題 「既存業種への不安」

 コロナ禍を融資などで凌いで来た中小企業だが、ここに来てへたり込む状況が顕著になり、道内での倒産が一昨年から増えている。
 東京商工リサーチの調べによる道内企業の昨年の倒産は274件(前年280)、道北地方では34件(同38)と減ってはいるが、道北の場合、丸二永光水産(枝幸)の28億円弱を筆頭に3件の倒産負債額が10億円を超えた。道内全体での10億円超は4社なのに3社が道北とは旭川市を中心にした道北地方の経済状況の悪化が深刻なことを物語っている。
 その倒産原因の大半28件は販売不振で、資本金1千万円未満が個人経営1件含み16件、1千万~3千万円未満が14件と全体の88%を占めた。元々、余力(内部留保など)が無いのに当座の運転資金も稼げず破産に至ったケースが大半だった。
 稚内は水産加工と運輸の2件だったが、倒産予備軍は少なくなく卸小売、サービスなど業種の倒産騰勢が今年懸念される。
 人口が往時の半数の2万9千人にまで減ったことでの消費の鈍化は今後もジリ貧状態で続くだろうし、老齢化の進展によって何を買うにもセーブが掛かり加えてDM、ネットでの販売攻勢である。地場資本法人の存続は更に厳しくなろうか。
 稚内空港近くのデータセンター設置が正式に明らかにされたが、雇用面での恩恵はさほど創出されるとは思えない。市長が「次のサイクルへの挑戦」と期待しているのは筋違いではないものの、長く稚内経済をけん引してきた水産業の将来はどうなるのか。
 新しい顔では難しそうである。