国内初 風力発電直結DC 豊田通商、ユ ーラス社など 稚内空港近くの樺岡地区で

 豊田通商、ユーラスエナジーホールディングス、稚内市、NTTドコモビジネスは14日午後、市役所で合同会見を開き、樺岡地区に国内で初めて風力発電所と直結した〝生グリーン電力〟によるデータセンター(DC)事業を行うことを明らかにした。
 今回の事業はユーラス社が運営する樺岡ウインドファーム隣接地の9900平方㍍の敷地に、受電容量3MWの平屋建てコンテナ型のDC「宗谷グリーンデータセンターⅠ」(仮称)を整備し、自営の送電線を通じて生グリーン電力を直接供給する。今年4月に着工し2027年中の稼働を目指し、DCではAIやシミュレーション、ストレージ(記憶)といったデータ利用需要に対処することにしている。 
 工藤市長は今回のDC誘致に、稚内は道央圏に比べて年間平均気温が3度ほど低く冷涼なのでサーバーなどの冷却コストが小さく、地形がなだらかな丘陵地帯なので地盤も安定しており、地震災害リスクが小さく、安定的な風力発電が可能で再生可能エネルギーの供給に優れた立地であることを強調した上で「豊富な再生エネルギーの活用でデータセンターの実現が可能になった」などと述べ、DCを通した今後の街づくりについて「再生可能エネルギーを通じてこの街が次のステップに脱皮できる契機になる。この街が変わっていける足がかりになる事業の一つ」などと期待を示した。
 ユーラス社の諏訪部哲也社長は道北地域の再エネ導入を促進させるためには電力を〝送る〟のではなく、その場で〝使う〟という需要の創出が不可決であり、大規模な電力が見込まれのがデータセンター事業であり世界的なAI需要を背景にデータセンターを誘致することで「地産地消を実現する」と述べた。 
 営業やデータセンター・IT設備の運営などを担う豊田通商エンタープライズの水川和巳IT事業部長は2030年以降を目標に道北地域でのデータセンターを拡張して受電容量10~20MW規模とし更にDCと風力発電の大規模な一体開発により受電容量100MW超を検討していきたいとした。
 通信設備関連を担当するNTTドコモビジネスのクラウド&ネットワークサービス部 第二サービス松林修部門長は、大都市圏では現在のAIやデータセンター需要への迅速な対応が非常に難しいと指摘し、地方への分散型DCの実現を図りたいと説明した。