7割が「厳しい」と回答 商工会議所の経営調査 材料費増と客数・取引先減少

 稚内商工会議所は、会員事業所を対象に実施した経営状況アンケート結果の概要をまとめた。
 10月下旬から1カ月間、782社を対象に郵送とオンラインで受け付けたところ282社(回答率36・2%)が回答した。
 それによると、2023年と比較した現在の経営状況について「同程度で厳しい」「悪化している」を合せると69%を占め、24年調査より5㌽増えており厳しい経営にあることが窺えた。
 業種別では製造業が81%(前年対比9㌽増)と最も高く、卸小売業78%(同3㌽増)、サービス業72%と続く。その原因は原材料(商品)の価格上昇120社、次いでエネルギー価格の高騰105社、客数や取引先減少による売上減少86社と続く。
 今年の売上については減少と答えた事業所が38%と多く、利益も42%の事業所が減少と答えた。
 売上減少と答えた割合が一番高かったのは人口減少の影響を受けやすい卸小売で2社に1社の47%、利益の減少が高かったのは原材料費高騰の影響が受けやすい製造業(56%)だった。
 来年3月までの売上・利益の見込みでは「減少」と答えた事業所が多かった。予想だが売上39%、利益46%としている。
 今の営業上の課題は①原材料(商品)価格の上昇157社②エネルギー価格上昇134社③客数や取引先減少で売上減少101社までは昨年の調査と同じ順位で④雇用維持に伴う人件費増加85社⑤人手不足による営業制限などでの売上減少77社⑥社会保険料など法定福利費負担76社挙げている。
 雇用状況では不足と大きく不足合わせ55%昨年2㌽増で、林業(75%)、サービス業(65%)と高かった。
 最低賃金引き上げ(北海道は時給1075円)の負担増は113社にも及び、今の営業上の課題を裏付ける結果となった。
 事業承継については「今は考えていない」が116社、自分の代で廃業する予定64社。飲食業が59%(同15㌽増)を占めた。
 調査結果から厳しい経営状況の事業所が前年から5%増え、来年3月までの売上や利益が減る見込みと答えた事業所の割合が高く、長期化する価格高と人口減少による消費の縮小で厳しい経営環境にあることを窺わせている。
 この調査結果から稚内市や道への情報の共有化を図り新たな支援施策を求めると共に、給付金や補助金など申請と資金繰り支援について各機関との連携を強化し対処して行くことを改めて確認した。