国債評価損639億円に 増田信金理事長が会見 信金中金から200億円支援

 稚内信用金庫の増田雅俊理事長は31日午後本店で、信金中央金庫(東京)に200億円の資本支援を受けることに関し記者会見を開き「稚内信金の経営に支障を来たすものでなく財務上の不安を払拭したもの」と、自己資本比率(26年3月末で64・4%)の国内トップクラスの高さがあり「何ら問題はない」と説明した。
 9月にも優先出資証券を発行し信金中金が200億円全額を引き受けることになったのは、ゼロ金利を経て金利が上昇する影響を受け2026年3月末で稚内信金が保有する国債の評価損が649億に上り自己資本の534億8400万円を約114億円上回ったためで、200億円増やすことで自己資本は735億円となり国債の評価損を96億円上回り金融庁の当面の勧告指導を回避しようとしたものとみられる。
 国債の評価損とはいえ国債を満期まで保有すれば元本は保障されるので実際に損失は生じないものの、持続可能な地域金融機関として信金中金の支援を受けるという英断をしたようだ。
 ただ稚内信金の主要営業エリアである稚内など北道北の経済状況は人口減・経済パイの縮小に加え現下の資材・物流費の高騰に伴う物価高によって先行きが読めず、預金に占める貸出金の割合は16・21%と道内16信金の中で最下位にあり、この穴埋め策としてリスクが限りなく低い国債購入に依存したという側面があり、今後、地元企業の資金需要をいかに掘り起こすかが課題となろう。
 この問題は稚内市、稚内商工会議所にとって寝耳の水の出来事であり一部では憂慮する向きあるも「稚内信金」という金看板のもと盤石な健全経営が保たれることを関係者は祈っている。