時の話題 「為になる話」
貧乏暇なし。本来の意味ではないが、商売柄忙しい日が多い。新聞を出すという仕事以外に社会への奉仕活動にも関わり、家に入れば目出度いことだけでなく年に応じて葬儀や法事などもある。葬儀は関係する方々の鬼籍入りが増え週に1回、参列ということも出てきている。
年を取ればそれなりに病も増え現在、サプリを含め10種類の錠剤を飲む。短気さも膏盲のレベルに達し社員、家族だけでなく大して付き合いのない他人さえ怒鳴り散らす。正に病膏盲であり、よく筆者が使う厄介な人間になるつつある。
そんな気忙しい中でもほっこりする話を聞くことがある。この話の主は中学校を卒業し職人の修行に入り15年目にして親方になり40年以上経ち今も3人の従業員を抱え事業をしている。
家が貧しく高校に進学できず修行の道に入るも当時は徒弟制度が厳粛な時代で親方が白を「黒」といえば―の世界で、何度か逃走したそうだが、思い直し臥薪嘗胆の末、独立し今の自分があることを話した。年と共に感涙することが増えた筆者は涙を拭いながら味のある苦労話を聞かせてもらった。
大して深い中でもないのに自らの人生の一端を披瀝して戴く。物を書く仕事はつくづく得なものだと感じながら人の素晴らしさに触れる機会を得たことに感謝している。
自分が逆の立場になり感動させれるのかと自問すると、泥水を飲み土を噛むような辛酸や苦労を舐めておらず無理だとの結論に至る一方、偉そうにならず謙虚に生きることについて暫し考えた。


