時の話題 「井の中の蛙でなく」

 ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。鎌倉時代初期の鴨長明の歌の一節である。人生そのものを詠んでおり、後悔先に立たずとの意味もあるのか。
 人生、短くとも長くとも年の嵩分、悩むこともあろう。子どもの頃は家族や友達との諍い、社会人ともなれば仕事などの悩みもあり尽きない。そしてこうして晩年になれば心身の健康など心配は尽きない。
 誰かが「人は苦労するために生まれてきた」と言うが、「全くその通りだ」と賛同する方が数多くおられることだろう。
 日本は四方を海に囲まれた島国ゆえにコップの中の争いにだいたいが終始してきたが、グローバルな今になると外国から物ばかりか人も入って来る。人口が減り働き手不足という課題の日本にあって外国人実習生は今では無くてはならぬ存在で稚内では水産加工場、建築現場、福祉関連の場で貴重な戦力になっている。
 その外国人実習生を対象にした日本語による弁論大会が開催された。主催したのは稚内北斗ライオンズクラブで、今期の会長を務める柳浦政春会長肝いり大会には稚内で働く9人が出場し、異国日本での不安や喜びを発表した。
 働く人が余るほどいた頃とは隔世の感がある昨今において「外国人無くして経営はあり得ない」とまで断言する水産加工場の経営者もいるほど正に時代が変わった。
 この種の大会やイベントはLCなどが主催するのでなく稚内市や商工会議所が主導的役割を務めなければならないと思うが如何か。