時の話題 「沖底漁の今後」

 60数隻が5隻まで減り昔日の思いがする沖底業界だが、どっこい安定した経営を続けている―と関係者から伝え聞いた。60隻→5隻まで減り生業として成り立たないものと筆者含め一般の方々は思いを巡らすだろうが事実はちょっと違う。
 今年1月は正月休漁とシケ早く操業する日が減ったものの、出漁すればそれなりの量があり水揚げ高が5億円あった。加えて㌔当たり単価が昨年1月の2・5倍にもなる280円と高く、その単価高は2月にも及んだ。
 1隻当りの金額は1億円となるも組合(機船漁協)や市場使用料など経費を差し引いても1隻当り5千万円を下ることはなく、船主はホクホク顔の体だとか聞く。
 が、ここに船の老朽化という問題があり5隻のうち数隻は中古船含め船を更新せねばならない事態にあるという。新造は数億円、いや今の物価高を反映し10億円はかかると巷間で伝えられる中、それだけの手当は可能なのか。
 組合はじめ稚内市など行政の補助が欠かせないが、いずれも苦しい運営状況にあり、船主の自助努力によって資金を捻出しなければならない状況にある。
 加えて地球温暖化による海洋の変化があり夏漁の代表格だったオオナゴ漁がこの2年間さっぱりだったよう、今、稚内の沖底業を支えているタラ、ホッケスケソが、かつてのニシンのよう忽然として海から消えるということもあろう。
 漁業は今、獲る一辺倒から育てる漁業に変わろうとしている。沿岸漁含め官民連携し養殖漁業への転換が求められている。