きょう31日で閉院 こまどり病院 病院、患者とも断腸の思い

医療従事者不足などで入院病床を休止し外来診療のみ行っていた市立稚内こまどり病院が31日で閉院した。高木知敬院長(76)は「長く療養型病院として役割を果たしてきました。病院運営の維持は難しく閉院は残念で致し方ない」などと語った。
結核の国立療養所稚内病院を前身とし平成15年3月から45床の療養病床を有し市立稚内病院の分院として、慢性期医療を担ってきた稚内こまどり病院だが看護師不足などで令和4年3月末で入院病床を休床。その後は医師1人と看護師2人によって内科の外来診療を継続していたが、外来患者の減少で収支が年間で約7000万円不足し、一般会計からの繰入金で補填し運営してきたものの、建物ができ半世紀以上経ち経年劣化が著しく、看護師など専門スタッフの確保が難しいため閉院に至った。
最後の診療となった30日、定期検査で来院した70代男性は「経営の悪化で閉院するのは仕方ないが、ただ病院が一つ無くなるのは住民にとって不安」、別の人は「市立(本院)の外来だと朝に行って昼までかかるが、こまどりは直ぐ受診でき医師、看護師さん共に良くしてもらっていたので閉院は寂しい」と話していた。
平成元年に外科医として市立稚内病院に着任した高木氏は、平成14年から11年間に亘り本院で院長を務め、25年からこまどり病院長に就任。一度、地域連携サポートセンター長として本院に戻ったものの、令和6年1月から再び、こまどり病院に復帰し、通算約6年間に亘り院長として勤務した。
高木院長は長く高齢者などの慢性期医療などを担っていたこまどり病院に「患者にとって急性期医療と自宅、老人ホームを繋ぐという役割をして参りました。入院患者が減り、更に看護スタッフなどが減り、維持が難しくなった」と振り返り、残念だったことは「年を取った患者さんが自宅にも置いておけなく老人ホームも順番待ちで、看取りまで安心していられる場所だった。入院が休止になりそういう人達が行き場がなくなってしまったのは残念」などと語った。


