時の話題 「更なる観光開発」

 定例市議会開会に伴い新議場に行った。記者席は旧議場のように高い位置になく議員席後方にアクリル板によって仕切られフラット感を意識した造りになっていた。記者席の後ろに傍聴席が設けられ新議場初日には元稚内市議の岡谷繁勝、大泉勝利両氏が来ていた。
 まさに市民に開かれた議会の体裁となり今後の議員と理事者側との論戦が期待される趣にはなっていた。
 工藤市長の一般行政報告の最初の項目は今年度上半期(4~9月末)の観光客入り込み状況で、来市した観光客は37万4300人。前年度上期と比べ5・9%減少し、宿泊客延べ数は22万4900人と4・8%減と同じような減り方となった。
 市長は、道内の7月天候が猛暑となり敬遠されたのと関西・大阪万博に人が流れたためと説明していたが、そうだろうか。猛暑ゆえならば涼しい稚内にとって好機であり、万博とて取って付けたような理由と言え一因とはいえるが要因ではなかろう。
 稚内観光は昭和の離島ブームが発端でリュックを背負った若者の〝カニ族〟が大勢訪れるようになり、その後の敦賀市政の時の観光客へのカニ贈呈など施策によって盤石なものになるもこの数年の頭打ち対策として台湾や東アジアからの誘客を稚内観光協会や稚内市、振興局などが働きかけているというのが現状だ。
 観光業は今や稚内の基幹産業の一つに成長してきた。稚内市がこれから実行しようとしている宗谷岬周辺の再整備への期待は大きいものがあり開発を前倒ししてでも行っていく必要がある。