クラフトビール販売へ ほく商の石原社長 醸造所の開設準備中

 朝日5のガス会社「ほく商」の石原崇社長(48)が今冬、稚内でクラフトビール販売を計画している。25日夜にゲストハウス「モシリパ」で開催された道内各地のビールと料理を楽しむクラフトビールの会に講師として参加した石原さんは「地元のビールを通じて人が集まる機会が作れれば」などと開業への思いを語った。
 稚中卒業後、札幌の高校、東京の大学を経て東京で22年間、広告の仕事に携わっていた石原さんは、40歳の時2018年に稚内に戻り、父親が経営するほく商に入社。地元に戻ってから「何か新しい事にチャンジしたい」と思い昨年春からクラフトビール事業に動きだして以降、美深でクラフトビールを製造する「美深白樺ブルワリー」の生産者と親交を深めビール製造を学ぶなどして現在は末広4の水産加工場跡地を改修し最北の醸造所「ヤムワッカ・ブルーイング」の開設準備を進めている。
 11月にもビール製造に向け酒類製造免許を取得後、早ければ12月にビール製造に着手し最短で年末か年明けには3種類の缶ビールの販売を予定している。美深以北では初めてのクラフトビール製造に「美味しいビールをつくって人が集まって楽しむ場が作れれば」と願い、親交があり今年春からホップを作る斉藤嘉仁さんとは「ホップの製造が安定すれば一緒に何かやりたい」とも語っていた。
 25日夜のクラフトビールの会では石原社長が厳選した士別、美深、ニセコ、鶴井村など6地域からのビールとモシリパ女将の武重美亜さんが調理したビールに合う料理を参加者16人で食べ、クラフトビールへの感触を確かめていた。
 普段クラフトビールを買って飲むという市内の女性(40)は「地元産のビールはとても楽しみです」と期待を寄せた。