時の話題 「花どろぼう」
以前、稚内でも花どろぼうがあったが、昨日の小紙への投稿によると、市立図書館の花壇に植えられていたマリーゴールドを老女が盗むところを目撃したという。9月15日の午前10時頃の所業というのだから白昼堂々だ。
投稿者は花どろぼうは泥棒でないことを書いていたが、そんな事はない。堂々とした盗っ人である。
その日は図書館休館の日であり人が来ないことを承知した仕業であり、借りた本を返すのに来ていた人が目撃したようだ。
最近、万引きなど高齢者の犯行が少なくない。持ち合わせのお金が足りず出来心で犯してしまうのかな―とは思い同情するものの、花どろぼうの老女は投稿者の表現を読む限り罪の意識など一欠片もなくやったようである。他人の物やお金を盗む事は誰であれ犯罪であることは分かっているが、花はそうでなくおまけに市の公共施設前の花なのだから1本くらい失敬しても誰も困るものでないとの甘い考えから盗んだものとみられ、筆者に言わせると「お里が知れる」。
花を慈しんで育てるのは女性が多く高齢者にとって人生の生きがいでもある。盗んでいった人は自らも花を育てているのだろうか。であるなら水やりなどの手間がかかるのは重々承知しているはずなので今回の所業は天に唾するもので反省しなければならない。
冷涼で風が強く植物の生育には不向きとされた稚内だったが、工夫を重ね更には温暖化も相俟って花も野菜も育つ環境になった。市と市民が一丸となった緑化運動に水差す行いは慎むべきだ。


