読者コーナー
9月15日、午前10時頃の話です。図書館へ借りた本を返そうと駐車場に車を止め、外を眺めていると図書館正面の花壇の中へ80歳ぐらいの小柄な女性がつかつかと入り込み、手で花を触り始めた。花の手入れをしているのかと見ていると、突然一番大きく見事に咲いているマリーゴールドの株をグイと引き抜き近くのベンチに腰をかけると胸からバックのような袋を取り出し素早く詰め込んだ。その後、平然と緑町の踏切の前を通りJR南駅へ行く小路に消えた。一生懸命苗を植え、草を取り育てている関係者の努力を想うと許せない。もうすぐ十五夜、あの女性はそのマリーゴールドを眺めながら「名月や…」などとつぶやくのだろうか。(花と本を愛する者)


