時の話題 「あすから10月」
朝方の気温は10度近くまで下がっているとはいえ日中は夏のように眩しい陽が射す。これまでの10月といえば冬の序章への階段を一歩々々上るよう秋冷が日に日に増してくるのだが、残照のような光が未だにある。
10月も飲食料品を主体に3千品目以上値上がりする。給与が上がっても相殺されるどころか、それ以上の負担を強いられている国民はどうやって日々の生活を送っていけばいいのか。年金暮らしのお年寄りや子育て世帯・寡婦世帯などはどう生きていけばいいのか。
先日、70歳代の女性がコメを万引きし逮捕された。小さい物ならいざ知らずコメは一目でも分かってしまうのに敢えて万引きしなければならない心情を思うと、心が痛む。
当時の大蔵官僚出身の政治家池田勇人大臣は「貧乏人は麦を食え」と国会で答弁し物議を醸したが、この発言は富める者の言葉として国民の胸に刻まれる中、昭和39年に東京五輪を控えた日本丸は経済成長一辺倒の歩みをし、一時は「みな中流」の考えを国民に植えつけるもプラザ合意のドル高是正によってバブル経済に突入し弾けたあとの2015年位までの20年間技術水準が低下し企業破綻も収まらず〝失われた期間〟が経過した。
それから10年経ち日本経済が回復したのかと問われれば社会に歪みが生じ貧富の差が拡大してしまったというのが現状か。
漁業のマチとして栄えた稚内は人口減少が止まらず、この1年間で831人も減ってしまった。それまでの6百・7百台から加速した感のある状況に打つ手はあるのか。


