時の話題 「少数精鋭」
少数精鋭とは聞こえはいいが要は人手が足りないということだ。百人、千人単位の中小企業なら未だしも数人数十人の零細企業であれば一人何役もこなさねばならず、最悪の場合、社長といえども用務員風な雑用もせねばならず、おそらく稚内など地方都市にある会社の実態であろう。
コロナ禍の20年~22年までは受注も減り、さほど人手は必要なかったが、23年以降は景気の回復とともに一般求人もさることながら新規高卒者への企業間の獲得合戦は熾烈だったものの、歩留まり悪く早期退職する若者を見かける。
この反省もあり今月16日解禁される新規高卒者の就職戦線はこれまでと違う状況を呈し企業側の求人が昨年に比べ18%の47人も減っている。ハローワーク稚内(稚内職安)管内の7高の新規求職者への求人数で、杉本嘉廣所長によると「来春でなく今春までの学卒者に照準を当て前の会社を辞めた人材を確保しようとしているのでは」と説明している。
戦後しばらく続いていた中卒者の「金の卵」伝説が高卒者に移行した現在にあって若手従業員の終身雇用への考え方が変わり我慢することなく退職してしまう現代っ子事情が色濃く出ている結果なのであろうか。
若者など雇用人材の流出が目につく稚内にあって技能実習生ら外国人労働者は必要不可欠なもので、水産加工業、介護職にあって顕在化している。
この流れは今後も間違いなく続くものとみられ、事実、過日、外国人夫婦と子どもの家族が街中を歩いていた。次の段階に入ったことが裏付けられた。


