時の話題 「日本、大丈夫か」

 そよ風の会主催のアナリスト(分析家)山岡鉄秀氏の講演会に臨場した。同氏は「自民党政治の終焉が遠くない」と論じたが、55年体制で敵だった旧社会党ともくっつき政権を奪取し、旧民主党政権後も安倍晋三氏(故人)という、ある意味、傑出した人物によって政権を維持してきた自民党である。山岡氏が指摘するように終わりに近づいている感がしないでもない。
 これまでの日本政治を支えてきたのはまぎれもなく自民党で首の皮一枚のところで今も維持しているが、衆・参院とも少数与党という異常事態になった戦犯として石破総理を糾弾するのは理に叶ってはいる。が、ここまで党が窮する状態にしたのは自民党的体質でありパーティー券の議員個々への還元事件は傲り高ぶりを示す最たるものであった。
 これまで自民党を支えてきた年代層が高齢化してしまい、その票を参院選で奪い取ったのが参政党であり国民民主党であった。
 家業を世襲化するように政治家も2代目、3代目と引き継がれて行く光景に若者と40、50代層が「これってありなの」と疑問を持つのは必然たる成り行きであり、官僚とスクラム組んだ自民党政治の善し悪しというより有権者側の意識の変容が一番の凋落理由なのであろう。
 山岡氏の裏話を興味深く拝聴したが、それはそれとし、同氏が留学したオーストラリア(豪州)と日本の経済的優劣が逆転していることに自民党的な古い政治体質での再逆転は至難なのでは―とも思料した。「おごる平家は久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」