200人参列し冥福祈る 第38回稚内市子育て平和の日記念式典

市、市教委など主催の第38回稚内市子育て平和の日記念式典が1日、大岬小屋体で開かれ、参列した人が大韓航空機撃墜事件の犠牲者の冥福を祈った。
参列した関係者200人を前に、工藤市長は「大韓航空機事件で亡くなられた方のご冥福を祈ると共に、終戦から80年を迎え、世界の厳しい現実を直視しながらも改めて全ての人々が平和で心豊かに暮らせるよう平和への決意を新たにしたい」などと挨拶。続いて遺族会を代表し山口真史さんが「遺族会として事件から42年経ち、出来ることが年々少なくなっている。将来稚内を作る皆さんにお返しすることができたら、この先生きて行く子どもたちに何か力を貸して行けたら」などと述べていた。
稚内市連合PTA子育て委員会の池野奈穂美さんが子育て平和都市宣言を朗読し、代表児童生徒5人が平和への決意表明をした。
式典を終え、遺族会の川名正洋さんは「1人でも多くの人に事件を伝え平和な世の中になること願っております」などと話していた。
「平和願う灯籠を展示 今後、改めて展示の機会も」

子育て平和の日記念式典が開かれた大岬小で1日午後、市内の小学生らが平和への願いを込めて描いた絵を張った灯籠が展示され、世界の恒久平和を祈念した。
東地区活動拠点センターで開催されている小学生ら向けのお絵描き教室「クローバーキッズ」で、絵を習っている子ども達が描いた平和を願うオリーブの葉や鳩などの絵を張った灯籠30基は当初、1日夜に北防波堤ドームである平和祈念の灯で設置される予定だったが、大雨のため中止され、6基だけ大岬小での平和記念式でお披露目された。
長く使用していた灯籠が一部破損していたことを受け、破れた場所に子ども達の平和への願いを込めた灯籠にしたいとして今回、絵の灯籠を考えた稚内ユネスコ協会などの関係者は「太平洋戦争開戦の12月8日夜に恵北の稚内赤れんが通信所で行う平和祈念の灯りでも使用していきたい」とし、市でも改めて展示の機会を設けるとしている。


