時の話題 「いい加減にせよ」

 今年上期(6月まで)の飲用食品の値上げが2万34品目になったと帝国データバンクが発表した。2万品を超えるのは22年(2万5768品)以来3年ぶりのことである。
 筆者はよく妻と共に食品スーパーに買物に行くが、値上げのすさまじさには舌を巻く。一例では100円の板チョコがこの2年間で倍の200円になっている。
 既に昨年実績(1万2520品目)の6割増しになっており、資材だ物流だ―などと値上げ理由をメーカーは挙げているが、当方は便乗も疑っている。
 この値上げラッシュの火付け役は電気などエネルギー価格の相次ぐ上昇だった。それが23年5月の新型コロナウイルス感染症の2類→5類の引き下げも相まって値上げの大波が次から次へと日本列島を襲い、トラックドライバーの働き方改革2024年問題もあり物流費も上がってしまい現状に至っている。
 長く政権与党にあった自民党政治の体たらくが招いた結果とも言えるもそれはそれとして、この値上げラッシュの根本的原因は何なのか。小紙の回りでも先を争うように購読料を値上げしている。
 ところで24年問題でトラックドライバーの給料に本当に上がったのか。2、3%程度の昇給ではこの物価高に追いつかない。経営者が自らの懐だけを潤しているのでは。勘繰りたくなるのが人情か。
 ある意味、我が世の春を謳歌しているメーカー側に対し警鐘を鳴らす。「もういい加減にせよ」
 江戸時代の米騒動から端を発した打ち壊しだって有り得る。いやもう始まっている。