週末雑感
先日、間もなく88歳になる御老人から電話をいただいた。妻が1週間入院し退院した際に出された薬を18種も出され服用したところ突然、意識を失い倒れたと言う。
相談された当方が「何で18種類もの薬を飲んだのですか」と問い質すと、その夫は「医師を信じているので当然だが、処方箋を確かめるべきだった」と反省していたが、このように病院と患者との齟齬は昔から変わらずあり裁判沙汰になるケースも間々ある。
超高齢化社会になると年老いた患者の受診率が高まり、傍に付き添う親族がいればドクターの診察結果を取り違えず、処方される薬も「おかしい」と疑問を持ち院外薬局で問い質すことも出来るのだろうが、90歳近くにもなる付き添いの御亭主では付き添うのに精一杯で臨機な対処ができなかったというのが真実に近いのか。
御亭主曰く「処方された薬には同じような薬も幾つもあった」そうなので、院外薬局の薬剤師が処方のおかしさを指摘すれば32種もの薬を出すこともなかったのでは―と素朴な疑問に突き当たる。
御自身で電話しながら「プレスさんの記事にするのは止めてください。先生など病院の方々に迷惑掛けるので」と、ある意味、支離滅裂な話ではあるが、年老いた人々にとって病院は命を守るかけがえのない機関であり、必要以上に心配りするのも致し方ないものと推し量る。
研修医入れ充実した医師体制を誇る病院と市民との確執は筆者の許に流れてくるが、弱い立場にある患者への心遣いを医師・看護師が持つこと肝要かな。

