240人参列し乙女偲ぶ 氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭

御霊を偲び一輪菊を捧げる参列者


黙祷を捧げる九人の乙女の関係者3人

 第63回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭が20日、文化センターで執り行われ、電話交換士として使命を全うし自決した乙女を偲び旧樺太の関係者らが平和への誓いを新たにした。
 実行委ら関係者240人余りが出席した中九人の乙女ら樺太物故者に黙祷したあと実行委員長の工藤市長が「悲惨な歴史を決して風化させることなく次代を担う若い世代に平和の大切さ、命の尊さを訴え、語り継ぎ、平和で心豊かな社会を築くために力を尽くすことこそが犠牲となられた御霊に対し報いるべき道であり、責任であります」などと式辞を述べた。
 武部衆議、吉田孝史市議会議長ら来賓5人が慰霊と平和祈念の言葉を述べたあと、九人の乙女の肖像画が飾られた祭壇に工藤市長らが花輪、参列者が一輪菊を捧げ、北海道詩吟連盟稚内支部の献吟、稚内フラウエンコールの合唱があり、最後に大谷高吹奏楽部が「見上げてごらん夜の星を」など2曲を演奏し、九人の乙女や樺太で亡くなった日本人の冥福を祈ると共に世界の恒久平和を願った。
 九人の乙女の同僚として元真岡(現ホルムスク)郵便局勤務していた金川一枝さんの娘で2016年から平和祈念祭に参列している中間真永さん=札幌在住=は「戦後80年を迎え、乙女の悲劇や悲惨な戦争の出来事を関係者として風化させないよう取り組んでいきたい。若い世代に戦争の悲惨さ、平和の大切さを訴えていきたい」と語り、九人の乙女の物語を全国各地で舞台公演している愛宕劇団代表でもある中間さんは今月17日に札幌で戦後80年節目の舞台公演を終え「これからも舞台を通じて歴史を次の世代にしっかり引き継いていきたい」と本紙の取材に応えていた。

ニュース

前の記事

天北堆