巧みな話術で聴衆魅了 えびなホール 柳家さん喬落語独演会

 古典落語の柳家さん喬さん(77)による落語独演会が6日夜、えびなイベントホールで開かれ、来場者は巧みな話術に惹き込まれていた。
 独演会は柳家さんと親交がある相沢食料百貨店の福間敏彦社長らで作る「稚内さん喬を聴く会」が主催し今年で7回目。落語好きの市民ら65人が集まり、昨年から400人の芸人が所属する日本落語協会会長に就任した柳家さんが3演目披露した。
 枕話で胆振東部地震があった2018年9月6月に稚内で初めて落語独演会を開いたことなどを振り返った柳家さんは「その時は稚内も停電していましが、ロウソクの火で落語を披露させて頂いた」などと当時の状況を語り、最初に蕎麦屋に来た大食漢の男が賭け事をする「そば清」、続いて町人の八五郎が、殿様の前でとんちんかんな言動を繰り返しながらも、結果的に妹のおかげで出世するという物語の「八五郎出世」、最後は親子の愛情や再生などの話「子はかすがい」を披露。約2時間に亘り情景が頭に浮かぶような巧みな話芸に聴衆の笑いが絶えなかった。
 毎年欠かさず来ているという50代男性は「柳家さんの蕎麦を食べたりする仕草などは本物を食べているみたいで惹き込まれました。楽しい時間でした」と話していた。