時の話題 「今はいいが」

 人口が往時の半分の3万人に減るもみなと南極まつりなどイベントがあると何処からか湧き出てきたように人がいっぱいになる。街は市長ら上の人間によって運営されているよう感じるが、実のところ人知れず懸命に生きている市井の民によって築かれていること改めて感ずる。
 会社もそうである。社長以外の役員と社員によって実のところ営まれている。そういうことでは一人の力は微々たるものである。
 そう考えながら広島原爆忌を迎え、あのおぞましい殺人爆弾投下を決めた当時のルーズベルト、チャーチル、スターリンらには、いかに戦争を終わらせようとして決断したにしてもこじつけなのは明白だ。土地々々に住む人々の存在、市井に暮らす人々の命を蔑ろにしている。自分たちが天上人にあるという錯覚がもたらした蛮行以外の何物でない。勘違いも甚だしい。
 話は変わり、″ふんどし街〟と称される稚内の住宅地開発は広範囲に及ぶだけに建築業者は潤った。関連業者も儲かり、当時は未だ健在だった沖底業界もで—んと構え浜森市長が10万人構想を打ち上げ絶頂期を迎えた。
 開発は緑町、萩見、富岡に及び、これら地域で生活してきた人達が何かイベントがあるとわんさと集まる訳で表現を変えれば過去の遺産で今の稚内がある。
 まだ仄かでも明かりがあるから一所に集まるが、完全に消え失せたなら何をやっても寂寞たること憂慮する。
 今、本当に手を打たねば寂れる一方になり早晩2万5千人にもなる可能性が高い。志持った青年の登場待つ。