週末雑感

 一人の人間は総理大臣に何度もなれる訳でない。長い政党政治の中では吉田茂氏と安倍晋三氏、そして貴族の近衛文麿氏くらいか。石破茂氏が「総理は辞めない」と総理の座から引き降ろそうとする勢力に抵抗している。
 昨年秋の衆院選、そして直近の参院選と自民・公明の与党は大幅に議席を減らし、いわゆる「少数与党」となり、反石破勢力の旧安倍派、そして自らが総理の時の麻生降ろしの急先鋒だった石破氏への意趣返しとして石破降ろしに動いている麻生太郎氏。呼応し昨年春の自民党総裁選で惜敗した高市早苗氏ら反対勢力が「辞めろ辞めれ」のシュプレヒコールの中、頑として辞めようとしない石破氏の胸中。権勢欲なのか、はたまた、よく口にするよう国民のためなのか。衆院の少数与党にあって野党と〝熟議の国会〟とやらをし、ほぼほぼ野党の要求をのんできた石破総理にとって参院も少数与党になる中、誰がその役回りをできるのかといい立げなのは理解でき、更に一般国民のSNS「石破辞めるな」が追い風になっているのだろうか。
 人間というのは一度権力を握ると離したがらないもので政界だけでなく会社などでもある。筆者は前にも書いたよう総理の器に非ず即刻辞めるのが晩節を汚さぬ生き方と思っている。
 個人的には右寄りだが高市氏が向いている気がする。保守層を奪取された参政党への対抗軸になろうし、少なくとも石破氏ほどブレがない。初の女性総理で国際的な日本認識も変わるのでないのか。 
 あっと驚くこともあるのかな。