時の話題 「大相撲始まる」

 炎暑の中、大相撲七月場所が名古屋のIGアリーナで始まった。豊昇龍、大の里と二人の横綱がいるのは4年ぶりのことか。順当ならこの二人が土俵を引っ張るだろうが、関脇で大関昇進を目指す霧島(元大関)と若隆景が初日の取組を見る限り対抗馬になりそうで「関脇が強い場所は盛り上がる」と言われるので期待したい。
 45回も優勝した大横綱白鵬(間垣から宮城野を襲名)が相撲協会から去ったのは残念だが、協会には外国人力士を良しとしない風習というのか伝統があり現役の頃は力士として認めるが、現役引退後は理事(協会役員)として好遇せず協会の運営方針に異を唱える者は要職に就けない。イエスマンだけを重用するということだ。
 八角理事長(元横綱保志)のその傾向が強く、現役の頃の突進型とは違い深謀遠慮の運営をする向きがある。自分と同じ横綱からの理事に芝田山(元大乃国)しかおらず、他の10人は大関以下の格下で威厳を保っている節がある。
 話は横道に逸れたが大相撲の主役は力士であり強い力士が登場し熱戦が展開されると観客は声援を送り、この3年以上連日「満員御礼」の活況を呈している。
 力士の奮闘なくして大相撲人気はあり得ず宇良や翔猿、翠富士ら小兵力士が脇役として更には40歳になった玉鷲や38歳の佐田の海、そして入幕したばかりの草野などの取口も場所とテレビ桟敷の相撲ファンをうならせる。
 協会と力士が一体感を示していけば国技として今の隆盛を維持できるだろう。偶にあるポカが水を差すがね。