人物点描 和を以って貴しとす 吉田議長 就任の抱負語る

 稚内市議会の第25代議長に就任した吉田孝史氏(77)は「和を以って貴しとなし議員各氏の調和を大事に議会運営して行きたい」と抱負を述べた。
 5期18年に及ぶ議員歴の中にあって一人娘の史奈さんを病気で19歳で亡くすという不幸に見舞われるも、市民から負託された職を全うし幾らかでも市勢の発展に努めたいとの思いがあった。
 市役所を1年早く退職したのは後輩の職員が力をつけており辞めても支障はなかろうとの思いからで、大学卒業後、役所に入る前に東部物産、稚内振興公社に勤め先輩社員らから多くの薫陶を受けたこと、父憲二さんが吉田漁業部を経営する傍ら議員になり第5代議長を務めたこともあり「議会という大きな舞台で自らの力を試したかったという気持ちが強かった」と議員への思いと共に当時、議会には前田修悦氏(故人)、山田繁春氏ら尊敬するべき議員がおり触発されたとの思いを語る。
 ALS(筋萎縮性側索硬化症)で長く闘病していた史奈さんには市民多くから励ましの言葉をもらい世話になり恩返ししたいと議長職を引き受けたことも吐露していた。
 議員定数削減、来春からの中学部活の地域移行など山積する課題がある中、定数減には毎回2人ずつ減らすような自虐性は避けたいとし、部活の地域移行にも先生達も勤務時間に折り合いつけながら指導に参加してもらうなど段階を踏んでやるのがベターなのでは―とも語っていた。
 「これと思ったら真っ直ぐ進み、市(行政)という壁に理論武装し対峙したい」と吉田氏らしく語っていた。