時の話題 「沖底船3億台に」
稚内機船漁協所属の沖底漁船5隻の水揚げ高が久方ぶりに3億円を122万円上回り大台に乗せた。スケソ1億4300万円、タラ1億1500万円と寄与した。
筆者が現在、手元に持つ機船漁協の22年10月以降の月ごと水揚げで3億円台は1回もなく「底曳き漁復活か」と短絡的な関係者は誰もいないだろうが、3億円のインパクトは大きい。組合、船主だけでなく関係者の心意気も上がっていることであろう。
稚内港船籍の沖底漁船はピーク時には60余隻あり帰港した船が二重、三重にも係留されトラックに積み込まれ水産加工場に運ばれ処理された。その隆盛も昭和52年(1977年)の旧ソ連の二百海浬設定と10年後の62年の第二次減船を経て10数隻まで減り、その後も大浦漁業の倒産など経て5隻まで減ってしまい数量減るも魚価高に支えられ維持されてきたのが稚内の業界だった。
5月の3億円水揚げ前に、今年に入り漁好転の兆候はあり今年1月以降、2月を除く3カ月間の金額が2億円前後で推移していた。
特にタラとスケソ(スケトウダラ)が引っ張り冬季漁のタラ好漁は例年どおりだったが4月からはスケソが一気に2042㌧(1億円)に伸び5月は更に3044㌧(1億4千万円)に至り魚価高も相俟って3億円に届いたのだった。
この一方、6月解禁されたオオナゴ漁はさっぱりで唯一操業するオッター船は現状、操業を見合わせている。
喜んでばかりはいられず5月のホッケ漁は8割減と先が思いやられる不漁だった。


