時の話題 「デカンショ観光」
春が本格化し当地への観光客も増えてきたのはいいが、札幌の知人が7月に用事で来市することになりネットでホテルの料金を調べたところ一泊2万円以上の所が多くあったそうで驚いていた。
結局、7千円台のホテルがあり予約したそうだが、一泊2万円を超えるとは稚内のホテルも豪奢になったものである。
知人は2万円台のホテル名を挙げていたが稚内では部屋数が多いホテルばかりで、つい2か月前の7千円台と比べると3倍にハネ上がっている。
30年ほど前の稚内、利礼観光が華やかし頃も宿泊料金の高さが問題になった。最北の地までくる交通料金に加え法外な宿泊料金が観光客の間で問題化した。今のようにSNSで情報が飛び交う時代でなくデカンショ観光の横暴ぶりが知れ渡ることなく大きな打撃を受けずに済んだが、瞬時の情報化社会の現代にあっては余りの高額な料金設定は敬遠される一因にもなろうからホテル関係者は留意された方が宜しかろう。
デカンショ観光とは何ぞやと疑問を持つ方がおられよう。元々は兵庫県丹波篠山市の盆踊り歌「デカンショ節」の囃し言葉だが、小林旭が唱った歌から大衆化し、1年間の稼ぎを半年で稼ぐ意味合いになり当時、冬・春観光が皆無に近かった当地の観光事情をやゆし表現されたようだ。
当時とは違い稚内観光は夏ばかりでなく春も冬も一定数の観光客が訪れるようになりデカンショとはほど遠い基幹産業に成長しておりホテル側の思惑が強くにじみ出た高料金は稚内自体を貶めることになる。


