時の話題 「春遠し」

 1週間続けての積雪に我慢強い稚内市民も食傷してしまう。昨年は3月28日が稚内地方気象台の根雪終了宣言で、個人的に同31日にタイヤ交換したが、日記には「2週間遅れの交換」と記している。
 今年の天候をみると未だに雪が降っているのだから4月10日より遅いタイヤ交換となろうか。
 雪国の住民にとって春待つ心持は強く、お正月より春が一日にでも早く来る日を待ち望んでいるのにお天道さんは願いを叶えてくれない。
 そういう意味では人生もほぼ々々自分の思いどおりにならず結婚だって相手に不満ありながらも妥協しするもんだとの認識ありながら子ができ孫ができ互いに白髪頭になると「好きこそ物の上手なれ」を逆手に、嫌いだからこそ努力し良い縁になるよう努め人生を全うするもので、人間万事、塞翁が馬のごとく何が吉凶を成すかは神のみぞ知るということになるのか。
 慌しい異動時期を迎え新しいポストを得て挨拶に来社する人達の高揚感を伴った前向きさには受ける爺もほんの僅かだが元気をいただく。先週水曜から続く腰痛が収まらず苛々する中での明るさに接するのは喜ばしい。
 この原稿を書き始め30分ほど経つが雪は降り止まない。これも冬の名残りの一興かなと風流心は無く、ただ恨めしく窓から外を眺めている。
 雪は積るのもアッという間だが融けるのも速いと言いながら悪女の未練たっぷり感があり始末が悪い。最後の足搔と鷹揚に構えることにしますかな。
 「春通し願えば願うほど遠去かる」