時の話題 「地価公示」
コロナ禍後、全国各地の地価(1平方㍍当り)は上昇傾向にあるのに稚内は全く上がり目無く衰退の一途を辿っている。
土地の価格というのは好気がいい町は上昇し悪い所は下落し極めて判り易く地域々々の実状を教えてくれる。
稚内は商業地(中央3アーケード街)が30年連続し下落し2万1800円、住宅地の標準地3カ所もすべて下落した。
不動産鑑定士は判で押したよう人口減少と少子高齢化、地域経済の衰退により土地需要が少ないことから地価下落が続いているとしている。
中央アーケード街の1平方㍍2万1800円は、全国一高い東京都銀座4丁目の6050万円に比べ0・04%という米粒のように低い。日本の縮図と言えよう。
ただ救いが無いことはない。宗谷丘陵などに風力発電施設(風車)を建設するユーラスエナジーがデータセンターを設置したいとしている。電力需要を自らの手で創出しようとするもので、同センターをつくることで新たな土地需要を生むからで将来への可能性を期待したい。
往時の5万6千人から3万人を割り込むまで減ってしまい筆者がよく歩くアーケード街の凋落は目に余るほどである。アーケード街を商業地標準地に据えることに無理があるとはいえ、例えば大黒2オレンジ通りを指定しても中央よりは高いとはいえ行く行くは下落のジリ貧傾向を辿るのは必至だ。
アーケード街は今年も1店閉じると聞いており残る数店の中にも閉店候補はいる。新庁舎では人は戻らない。