時の話題 「コメ高騰を考察」

 政府が放出した備蓄米は今月末から販売されるが、コメの高値は続いており、直近の5㌔当りの価格は高騰以前の2千円の倍になっている。果たして政府の期待どおりに値下がるのか。
 コメ価格が異常に値上がりし家庭ばかりか飲食店にも多大な影響が出ており、カレーライス物価なる統計によると半年前の300円から396円とほぼ100円上ったという。
 カレーライス物価というのはカレーライス1食分を作るのに幾ら掛かるかというものでコメばかりでなくジャガイモ、ニンジンなど野菜なども上がっており僅か半年で100円も上がった。なかでもコメの割合は高く飲食店での値上げに影響しているわけだ。
 3月以降、円高が進行し輸入品が安くなっているにも拘らずメーカーの値上げ攻勢は続き国民は耐乏生活を強いられており、止めはコメ高騰である。
 推し量るに備蓄米放出によってもコメの販売価格は総体的にさほど下がらないだろう。生産農家にとって国の減反政策によって隅に追いやられ、石川啄木ではないが「働けど働けど我が暮らし楽になかりけり」然と離農が進み、生産農家と卸業者(集米業者)が結託しコメ高騰という事態を生んでいるのでは。池田勇人総理の「働かざる者、麦を食え」の暴言がその後のコメ農家を直撃した帰結として生じた高騰だけに根っ子は深い。コメ農政の構造的欠陥まで話は及ぼう。
 コメはこれまでが安過ぎたのだ。倍の価格を容認するものでないが、2千円→3千円の5割アップを適切な価格と思えばいい。