時の話題 「東日本大震災14年」
2011年3月11日午後2時46分に東日本大震災が起きた時、筆者は副港市場の「港のゆ」から上がり休憩室に居た。テレビで映し出される大津波が港を、住宅街を襲い車や人をのみ込む光景に唖然とし、更には川を逆流し内陸に向かう津波に「ウソだろう」と戦慄したのを覚えている。
あすで起きてから14年たつ大震災を前に北海道太平洋沖の千島海溝で、海側と陸側のプレートがかなり強くくっつく歪があり、その歪の蓄積がマグニチュード9クラスの巨大地震を引き起こす程度まで進んでいる可能性があるとした。
東北大学、北海道大学とJAMSTEC(海洋研究開発機構)の研究グループが海底にGPSの観測点を設置し19年~23年まで5年間調査した結果として海・陸プレートとも年間8㌢、陸側に移動していることを確認した。千島海溝一帯では17世紀の巨大地震以降、年間8㌢程度の歪みを溜めている可能性があるとしている。
このため研究グループは改めて「東日本大震災クラスの巨大地震発生を憂慮し事前の対策を考えておいてほしい」としているが、被災満14年を前の発表はショッキングだった。
東日本大震災での行方不明者含む死者は2万2千人以上に及び、住宅の高台移転、高防潮堤建築など復興事業は進んでいるが、被災した人々の町から離れた慟哭や亡くなった人達を思う悲しみは消え去ることはなく、今回の発表のよう再び巨大地震が起こる可能性があるならば本道太平洋沿岸と東北一帯に安住の地がないことを物語っている。


