時の話題 「テーマ忘れ」

 自分自身にとって慣用句ともいえる忘却現象が出社し起きた。昨夜決めていた小欄のタイトルが思い付かないのである。20日に載せるのは稚内市の新年度予算案と決めており、その前日つまり本日分も「〇〇でいこう」と決めたテーマが虚空のかなたに吹っ飛んでしまったのだ。
 10年ほど前から人の名前を忘れるようになり5年前から頻繁になった。すぐ思い出すこともあり暫く思い出せないことあるが、だいたいは他の考え事をしている時に嘘のように浮かんでくる。自分ではそれほど深刻でないと高をくくっているが忍び寄る年波にあたふたする。
 けさの朝日新聞の「天声人語」に朝食を作り、その後消息不明になった50歳前半の妻の事に触れた事が書かれていた。令和5年の認知症によるとみられる行方不明者は1万9039人にもなり前年から330人増加した。統計開始以来、11年連続し最多記録を更新している。
 今回の件は女性だが男女別では男性が1万597人と全体の55・7%を占めており、その多くが当日もしくは2、3日以内に見付かっているそうで所在確認できない人も相当数いる。普段の生活圏からかなり遠方のケースも50%近くあるので、家族の迅速な警察への連絡が求められている。
 推し量るに稚内でも認知症の行方不明事例は少ないながらあるだろう。40代だから50代だから認知症にならないという常識にとらわれることなく、家族で情報を共有し対処しなければならない。筆者も妻も徘徊し居なくなる事なきにしも非ず。