時の話題 「コメも高騰」

 総支出の食費に占めるエンゲル係数が昨年28・3%と、2000年以来、最高になったとの報道があった。さもありなん。それだけ食料品の価格が高騰しているためで、未だ子沢山だった戦後や高度経済成長時代を抜くまでには無いが、異常ともいえる係数に身もだえする。それだもの給料はアップしているのに生活が楽にならない筈である。
 我が家では毎週日曜日に買物に出掛け運転手役の筆者もスーパーに入り品物を物色している。コロナ渦中は安い物が多く、毎朝食べるヨーグルトは売出し税抜きで100円を切ることがあるも今は150円まで40%も上がっている。他のサンマの缶詰など好物も相当額上がっており、妻のように家計を預る身ではなく切迫感は希薄だが、それでも物価高騰を肌で感じる。
 年金だけで暮らす高齢者であれば生き死にまで通ずろうかという大問題であり、この上日本人の主食であるコメも異常に高くなり、昨年秋の新米の生産・供給を経ても高止まりが収まらず、更に勢いを増す高騰が続いている事に業を煮やした国(農水省)が備蓄米を市中に放出する表明をした。
 食生活の欧米化によってコメの消費量が減っているとはいえ主食の座は変わらず、異常な高値がエンゲル係数高向きに寄与している。卸業者がコメ価格上昇の思惑買いをしているのにも拘らずこれまでの特段の手を打たなかった政府と全国農協中央会の不作為による異常高騰でつらつら考察することがある。中央統制の仕組みに破綻が起きつつあるということだ。