時の話題 「トランプ時代へ」

 「プレスはきついからな」と以前よく言われたものだ。創業者の前田翁はじめ侍が多く刀を抜きバッサリ一切りするかの呈だった。それから間もなくして筆者が入社し喧嘩早い性格もあり件の〝きつさ〟はどうにか維持してきたと自負する。
 「問題はこれからで今の若い世代は諍いを好まず表向きは好感度を上げようとする。争いは起きないが紙面的に喝采を博する割合は低くなる。
 幸せさより他人の不幸にほくそ笑む人間の業に由来するのか。
 今月20日、米国大統領に就任するトランプ氏だが▽カナダを米国の州に▽グリーンランドを米国所有に▽パナマ運河の直轄権を米国に―などとアドバルーンを上げる。本気度がどの程度か量りかねるが前記三題の実現は突拍子もない話であり、旧年中のメキシコ、カナダ、中国への高関税は実行し、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)を再び脱会し化石燃料の使用をためらわぬ事態を招くことであろう。
 ウクライナ紛争の早期終結が後退しているのはプーチン氏との話(ディール=契約)が意図したように進んでいないからであろうか。
 トランプ氏には何かやってくれそうな期待の一方、これまで永々と築き上げてきた世界の枠組が崩壊させられるというリスクもありこの先どうなることやらと憂慮する。
 グローバルな動きは稚内にも影響を及ぼされる。とりわけ稚内市など行政、民間会社の経営者は安穏とすることなく政策金利や株価そして中国の動向を見誤ることなく知恵絞り対処すること肝要だ。