時の話題 「強突張りでは」

 強突張り。強情で人に従わないこと。ひどく欲張りで頑固なことの意味があり、そういう人を指す。ごうつくばりと読む。
 特定の誰かのことを言っているのでなく人が押し並べて持っている業である。
 1990年代以降のバブル経済を経て日本の凋落がよく話題になり「失われた30年」などと表現されるが、コロナ禍のうっ屈した時を経て昨年あたりからインバウンド(外国人観光客)が大挙して訪日するようになり頻りに好景気感が囁かれるようになった。
 そりゃ円安だもの日本に来ればモノやサービスの価格が安いので外国人にとって天国のような国であり誉めそやし大盤振舞の爆買いをし、恩恵に浴する一部業者が好況感を演出しているのだろう。
 国民は異常な物価高騰に呻吟しているのに賃金は上がっている―などと都合のいい社会が語られている。
 高度経済成長時代のよう好況感が本当に現実的なことならば善しとしよう。しかし現実は爪に火を灯す生活を強いられており、比較的に高収入の層も働き過ぎを指摘され精神的に追い詰められているのが今の日本でないのか。だから永く政権の座にあった自民党に対し国民が厳しい審判を下すようになったものと筆者はみている。
 翻って稚内はと問えば長く経済をけん引してきた建設業や水産業界に陰りが見え観光でカバーするも人手が足りず満度に受け入れない状況にある。
 市長は市役所新庁舎を起爆剤に中央地区再開発に再チャレンジする将来の街作りを模索しているが易しいことではなかろう。