棒鱈保護区設定難しく 議会で市長答弁 抜海駅維持費負担は終了

 市議会一般質問3日目の11日、千葉一幸議員(志政会)、中村公博議員(市民クラブ)、吉田大輔議員(市民クラブ)の3議員が質問した。
 国内で唯一、稚内で製造している棒鱈について千葉議員の棒鱈製造区域の保護地区の設定と産業振興策の質問に、工藤市長は保護区設定について10月に稚内棒鱈組合から市に対し富士見1〜5までを棒鱈保護区域などの設定を求める要望を受けたが「区域は土砂災害警戒区域や文化財保護法に基づく土地などが主なもので、多くの地権者が存在している」と説明し、更に仮に区域を指定する場合、全ての地権者の同意が必要で区域指定は難しいものとの見解を示した。
 棒鱈による産業振興について、市長は地域特有の伝統的な産業であるとした上で「京都では正月のおせち料理に欠かせない食材で本市の知名度向上に大きく貢献している。今後も永続的に発展することを期待しています」と述べた。
 今年度末で廃止される方針のJR宗谷線の抜海駅への質問に、市長は駅を所有するJR北海道が経営改善策として極端に利用の少ない駅の廃止を判断したことは、これまで何度もこの場で話しをしてきたとし、駅の廃止後の地域住民の足を守るため「代替交通の実証を行い、乗合タクシーの運行に目途がついたことから、本年度を持って駅の維持管理費の負担を終えるという判断をしたもの」と答えた。
 抜海駅100周年事業実行委員会がオンライン署名も合わせ11月に駅存続を求める要望書を市に提出したことに対し、市長は「受け取った要望書は、11月21日付け文書でJR北海道旭川支社へ伝えている」と述べた。