平和願い灯籠ともす 歴史まち研、ユネスコ協 前日には斉藤氏、戦争歴史語る
太平洋戦争開戦から83年目の8日夜、恵北の稚内赤れんが通信所で平和祈念の灯りが催され、約80基の灯籠を灯し世界の恒久平和を祈念した。
日米開戦の口火を切った真珠湾攻撃作戦を告げる「ニイタカヤマノボレ1208」という暗号文が同通信所を経由し連合艦隊に送られたという歴史があり稚内ユネスコ協会と稚内市歴史・まち研究会は2011年から平和の灯りを続けている。
今年で14回目となる灯りに参加した会員や市民ら40人余りを前に歴史・まち研究会の富田伸司会長が「戦争の切っ掛けを作った場所ではありますが、二度と悲惨な戦争を起こさないように強い気持ちを込めて平和の灯りを灯し続けています。世界各地で戦争が起こっており早く終結するよう願いを込めて点灯させて頂きたい」などと挨拶したあと、通信所の周りに置かれた灯籠に明かりが灯された。
関連行事として前日7日午後、市立図書館で開かれた稚内学で「宗谷海峡戦史〜第二次世界大戦と北の防人」と題し講演した国境写真家の斉藤マサヨシさん(69)は、宗谷海峡を通過する外国船の監視を強化するため宗谷岬などに設置された砲台などの臨時要塞などのスライド写真などを見せながら「宗谷岬の牧場内に残されている要塞の跡などを稚内市が取得し、文化財として保護し見学できるようになればいい」と話していた。