富良野の小学校から感謝の手紙 海での体験を送った中澤さんに

 稚内の底曳き網漁など海の仕事を知りたいとして、富良野市の扇山小5年生に自身の体験談をまとめた資料を郵送した稚内海友会の中澤和一会長(77)に資料協力を依頼した学校側から感謝の手紙が届いた。中澤さんは「稚内の事を知って頂くきっかけになり互いの街が仲良くしてくれれば」と語った。
 農業や観光が基幹産業で漁業など海に関わることで接点がない富良野市にあって、社会科の授業で海の仕事を学ぶことになった扇山小5年生の担任が、稚内にいる知人を通じて底曳き船員として33年間、働いた中澤さんを知り児童たちが漁業に対し思ったことなどの質問などを含めて資料作成を依頼した。
 富良野の子ども達からは約40項目の質問が寄せられた。「底曳き船に乗っていた時は何処までの海に漁に出ていましたか」との質問に、中澤さんは「昔は今のサハリンがある所まで操業していました」と答え「どんな魚がとれました」との質問に対しては「スケソウダラやホッケ、サメなどが船いっぱいにとれました」と回答した。
 担任からの手紙で「子ども達の反応は良く富良野では農家の知識しかなく、今回の学びは非常に勉強になりました」などと添えられていた。
 週に数回、病院警備の仕事をしながら資料を作った中澤さんは「子ども達が海の仕事に興味を持ってもらえれば嬉しい。今後も自分が体験したことを多くの人に伝えていくことが、私の役目です」と話していた。