時の話題 「ざわつく世界」

 先週までの心持と12月になった心持は違ってくる。師匠ばかりでなく誰もが走り出している。師走になると世間の有り様が変わる。
 まだ1カ月あるので今年の総括には早いが20年2月以来続いているコロナ禍が終息に向け光が射していることは喜ばしいが、ウクライナとガザでの紛争には嘆きが増す。あの狭い国土に対し平気の平左でミサイル攻撃するイスラエルには嘆きを通り越して天罰でも与えられよと思っており毎日のよう子どもが亡くなっているニュースを聴くにつけ国連でイスラエル擁護の拒否権を発動する米国に対する憤怒がもたげる。「世界の警察」どころか友好国に寛大な米国の真の姿をみる思いがし二律背反な世の中の矛盾にヘドが出るほどだ。
 その米国大統領にトランプ氏がカムバックする。1期目に好き放題な政治をし、4年前落選するや猛烈なトランプシンパに米国議会殴り込みを煽った同氏を選ぶ米国民の民意とは何なのか。兵庫県知事選にも通じる煽動と誤魔化しも似ている。
 マスコミは「分析」と容易な言葉で悟ったかのように論調するが人を性悪説で捉えるなら人間の持つ根源的なものだろう。
 一言で申すと何でもありの社会になってしまったというのが正直な実感だが、家族を、自然を愛し住み良い社会にしようと渇望する常識派もおり過渡期にあるのかーとの思いはある。
 今、世間で囁かれているのは「核が使用されるのでは」という危機感である。広島・長崎の惨禍を見れば事後の世界は「猿の惑星」となる。