宿泊の受入不足深刻 議会市長行政報告 ANA、FDAとも増加

 市議会12月定例会は27日開会。庁舎整備事業やふるさと納税推進事業などを盛り込んだ一般会計17億4687万1000円などの議案が上程され、初日は工藤市長が上期(4月〜9月)の観光客入込状況など4項目の一般行政報告をした。
 上期の観光客は総数39万7800人と、対前年比106・5%でコロナ前の令和元年上期と比べ100・8%とほぼ同水準。宿泊客延数は23万5000人で前年度と比べ100・2%とほぼ横ばいに推移したものの、令和元年と比べ93・8%に留まった。
 コロナ前と比べ宿泊客延数が伸び悩んだ理由として、工藤市長は大型宿泊施設の廃業を最も大きな要因に挙げコロナ禍を通じた人手不足による供給可能な客室数の減少、密を避けるという考え方が浸透したことによる一室当たりの利用人数の減少など説明し「宿泊客に対する受入体制の不足が、これまで以上に深刻さを増していると捉えている」などと述べた。
 10月下旬に全日本空輸(ANA)とフジドリームエアラインズ(FDA)を訪問したことに、今季4月〜8月までの稚内空港での定期便全体実績は、前年度と比べ16便増の1092便運航で9万6905人が利用し前年に比べ6333人増加。6月以降は午前の千歳便は80%前後、東京便は90%を超える搭乗率だったことを報告。全日空訪問で市長は「機材の大型化や増便などを訴え、休止中の関西・中部便の早期再開などを要望してきた」などと述べた。
 FDAの今季実績は前年に比べ43便増え153便運航で1万199人が利用。前年から2783人増加した。FDAに対して市長は「一層の増便や期間延長を要請してきました」と述べ、FDA側から搭乗者を増やして地域経済の活性化に貢献するため〝食〟の魅力を活かしたツアー商品の造成をし旅行商品の付加価値を目指したいという提案があったことを明らかにし「次年度に向け、更に連携を深めていきたい」とした。
 他に稚内市デジタル田園都市構想総合戦略策定と利尻礼文サロベツ国立公園指定50周年について報告した。