時の話題 「信金景況レポート」
稚内信金の7~9月期実績は建設業と卸・小売業を除くと前年同期に比べ上がらず下がらずの軟調感で占められ、唯一、好調だったのが旅館・ホテル、飲食店、クリーニング、自動車整備などのサービス業であった。
コロナ禍中、不振業種の一番手だったサービス業が上向いているのはコロナ明けの観光の回復であり、人の動きが活発化すると旅館・ホテルだけでなくリネンのクリーニングなど、そして当然、飲食店にも影響は及ぶ。
ドーミーイン稚内が大改修により12月下旬まで休業していることもあるが、稚内では今どのホテルも予約で一杯で、小社と取引ある業者は宿泊先をオホーツク海沿い南部にし対処しているやに聞いている。
他方、業績が悪いのは建設業で、信金レポートでは稚内市内の設備含めた低調が顕著なようで、確かに中央地区の電柱地中埋没化に伴う工事が目立つ程度(この工事は管外業者中心に受注)で塗炭の苦しみを舐めている。
加えて卸・小売業も良くはなく、建築資材スーパー・コンビニ、衣料品は50%前後の下振れを示し、自動車ディーラーが一人勝ちの前年同期対比66・7%上昇を示している。
10~12月期の見通しは厳冬期に向かい閑散期を迎える中、全業種とも楽観的な予想をしておらず、かつ人材不足も足枷になっておりコストカット、販路拡大を謳うも実現するには少々時間が掛かりそうである。
仕入れや原材料が値上がりし、ただでさえ売上(受注)減少と人件費増加で厳しい経営状況にある。曙光は未だ先のようである。