時の話題 「ペンの日」

 きょうは「ペンの日」。1965年(昭和40年)に日本ペンクラブによって制定され、昭和10年、島崎藤村を初代会長に創立されたことに遡る。
 日本最北端のいわゆる場末の新聞社とはいえ小紙もペンを生業に今年で創刊74年迎え歴史を積み重ねてきた。筆者が入社したのは昭和57年であるので歴史の6割弱しか携わっていないのだが、42年の間には筆舌に尽し難い出来事があった。
 日東丸沈没、市長選での浜森辰雄氏の敗退タラバガニブーム、同じく市長選での当選した横田耕一氏、工藤広氏に302票差、216票差に肉薄した長谷川伸一氏の健闘等々。今はすっかり〝風の街〟らしく風車が立ち並ぶも人口が減る一方の稚内。昭和50年の5万5464人をピークに今では3万かすかすにまで減ってしまい姿勢に大いなる衰退を感じるまでになっている。
 全国稀な地域に2紙(稚内プレス、日刊宗谷)存在する地方紙のある街だが、最近の情勢を見るとSNSが先の衆院選、兵庫県知事選で当落を決めるほど台頭して来ている。街のネタを丹念に拾おうとする地方紙への影響は避けられず、個人的に将来の不安を隠せない心持にある。
 「ペンの日」を声高に主張するものでないものの、人類は大昔から歴史を認め後世に残す努力をしてきた。一過性でない役割の担い手がペンなのである。
 社内では今、筆者だけがマス目がある原稿用紙に文章を認めている。20年ほど前にはパソコンを駆使したことあるも止めた。原稿用紙に向かうと俄に言葉が浮かんでくるのだから不思議である。